よしなしごと

日々を淡々と

帰りたくなくて泣く

いやもう、そのまんま。

帰りたくない。

新潟にいたい。

 

 

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新津・阿賀野川の土手の景色。

 

 

5月の連休ぶりに、新潟へ。

好きな人と一緒になるために

離れてしまった新潟やけど、

なんかもう、帰りたい。

 

鮭か何かなのか、自分。

生まれ育った場所が懐かしすぎて

泣けてくる。

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三川・阿賀野川の上流

 

 

自分の選択に後悔しているとか、

そういうのじゃない。

 

 

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居心地いい場所があって

好きな人たちがいて。

 

 

地元愛ともまた違う。

楽しいことも、嫌なことも、全部含んだ

この気配が懐かしい。

泣けてくる。

 

いつも大きくて

何も言わないんだ。

黙ってピーピー泣いてる自分を

じっくり見ている。

いつか疲れ果てて

ぐっすり眠ってしまっても

まだ傍にいる。

濃厚な気配に安心しながら

今夜も意識を手放すんだ。

 

 

また帰ってくるから

また帰ってくるから

って自分に呟いて、なだめる。

目も鼻もぐしょぐしょで

どうしようもない。

 

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嫌なら離れなければ良かったのに。

めんどくさいなー、自分。

ねぇ、でもね、

どっちも好きなんだから。

 

 

好きなら、仕方ない。

 

ガブリと噛まれて

頭の半分くらいが

ガブリと噛まれてから動いていない。

ストレスがかかると、

頭の真っ黒い範囲に人の声が響いて

どうにもならない時もあった。

 

 

人から見ると温和な人に見えるらしい。

本当は動いてるはずのところが

空っぽになってしまったから

ゆったりしているように見えているだけ。

 

 

「単純作業とか、清掃、

コンビニのアルバイトができたら

万々歳だと思います」

医者から告げられたこと。

 

 

勉強は得意な方だけど

そんなに頭は良くなかった。

人と話していてもどこか抜けてたり

場にそぐわないおかしなことを言っていたり。

 

思い出して、ごめんなさい…となることが沢山。

 

 

諦めたくなかったから

ここまでやってきたけれど。

どこまでやっても、噛まれた後は

あまり回復していない。

コミュニケーションが取れない。

よく分からない思考が走る。

 

1番苦手なのは雑談だ。

何を話しているのか、よく分からない。

未だによく分からない。

 

コミュニケーションは取りたいのに

言葉がうまく掴めなくて

出てこなくって、すごくもどかしい。

 

 

でも、まだやれるはず、って。

明日もまた会社に行ってくる。

会社じゃなくてもいいんだけど、

私はもっと誰かとコミュニケーションがとりたい。

軽やかな…

本当にセンスがなくて泣けてくるんだせど、こんな形でも生きているから

しっかり練習してみたい。

 

 

結婚式の感想

結婚式は挙げなくていいかー

 

と、夫は話していた。

 

挙げようか迷うけど…

写真くらいは撮ろうかね?

 

私もそんなくらいだった。

今の自分たちを写真に残しておくと、

後々、楽しかったから。

 

両親に言ってみると、

うち母が断固とした表情で

「私は一生に一度だから、黒留袖が着たい!!」

と言い始めた!

 

母らしくて、とてもいい。

「結婚式は、自分のためというより、

周りのためだよ」

と、先輩が言っていたのを思い出した。

 

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*モーニング、黒留袖、似合ってたよ。

   育ててくれてありがとう!

 

 

神社にしたのは、ほぼ私の趣味です。

親には

「無くならそうな場所でやってほしい」

と、ひと言。

結婚式専門式場、レストランなどは

思い出の場所が無くなってしまいそうで。

和装がしたいから、神社もいいかも!

神社も無くならそう。

暮らしの中にあって、いつでもお参りが出来る。

 

 

そこから会場決め。

意外と制約があって、

 

・○人以上じゃないとダメ

巫女舞雅楽演奏は料金増し

・社殿内の撮影禁止

とか、色々。

 

 

結果、制約がない

湯島天満宮さんに決めました。

 

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*心のひろい湯島天満宮さま。粋です。

 

 

 

当日は、修学旅行生がこれでもか!ってくらいいた。

参拝客の方からも「おめでとう!」と言われたり、写真撮られたり。

とても暑かったけど、賑やかで、いい日だった。

 

 

 

一番不思議だったのは、花嫁衣裳でした。

 

花嫁衣裳に袖を通すと、身が引き締まりました。

実際に掛け布団以上の重さがあるんですが…

 

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*熟練の技で仕上げていただきました。

 

 

何というか、衣裳のチカラを感じました。

 

能で「面や装束に力が宿る」って

そんな思想があるんですが、

それに近いものを感じました。

 

役に身が入るというか。

不自由な感じとはまた違うんです。

ただ、それに相応しいことをしたくなる。

その相応しいっていう領域が、

自分を超えていても

衣裳が超えていくのを手伝ってくれるというか。

空も飛べる、天女の羽衣(はごろも)。

そんな感じ。

 

湯島天満宮のご神前にも、これまで何人もの花嫁さんが来ていて。

これからも花嫁さんが来て。

同じ日にも別の場所で、何人も花嫁さんが誕生していて。

時、場所、思いは、違っていても

 

「花嫁」

 

という、幾世代も国も超える記号を与えられた。

 

 

ご神前にて、夫が朗々と誓詞を読み上げている時も 

色んなことを感じていました。

 

全部と一緒だったなと。

不思議な一体感がありました。

個性を発揮するっていう時世の流れですが…

その個性を持つ自分が立っていた場を、

広く深く実感した気がしました。 

 

平かなご神前に、

にじみ出てくる力強く温かい気持ちに、頭を下げました。

 

たぶん心から、人や場に感謝できた

最初の瞬間でした。

 

 

何があっても

大きなものと1つだ。

背すじ伸ばして、

生きていこうな。

 

と、芯から思いました。

 

 

どうしたってコンニャクより

ぐにゃぐにゃした気分の日もありますけど…

 

あの時の感覚が自分の中に

どっしりと息づいているので

「大丈夫感」がすごい。

 

 

最近になって整理がついたのか、

やっと感想を書くことができました。

すごく素敵な経験になりました(*´-`)

 

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休日に早起きをした

久しぶりに何か書こうと思った。

けど、最近の生活をまとめるくらいに。

早起きをした休日は、何か書きたくなるのです。

 

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少し前に、知り合いの農家さんの畑を手伝った。

たまに土が触りたくなる。

いい天気が2日続かないと、畑に入らないのだそうな。

梅雨時期に入ってきたから、次はいつ手伝えるかな。

日曜日は畑の日でもいいかも。

 

 

あとは、仕事を始めた。

ただの事務員さん。

「こんな事務とかやってても、つまらないじゃん」

って。たぶん昔の自分は思っていた。

信条を曲げたのかもしれない。

でも周りの人はいい人たちだから、すこし頑張ってみようと思う。

私が必要なのは実地での経験。

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栃木でも相変わらず、

夕陽が綺麗だと車を停めています。

麦を育てた後に、稲を植えるので、

新潟よりも田植えの始まりが遅い。

(6月入ってからの人も…)

でも温暖な気候&日照量が多いためか、

すくすくと育っています。

 

自然の力を感じることは少なくなったけど、その分、知らなかった世界が広がっていく気がします。

まだ知らない世界を何と表現したらいいか、分からないですが…

少しずつ見えてくる暮らしを大切にしたいと思います。

 

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心拍

妊娠していた。

妊娠すると、すぐ分かると思う。

身体がとても温かくなるのだ。

ぽーーんとその日から微熱くらいの体温になっている。

そうか、そうか。

 

1週間ほどして、妊娠検査薬で事情がわかる。その次は検診。

産婦人科にかかって、お腹の中を確認してもらう。

「あ、いますね!おめでとうございます。」

ってお医者さん。

胎児も心臓の音、心拍があって、丸まった状態でいる。

胎動も感じないし、自分の体調も少し気持ち悪いくらいで何ともない。

 

ほくほくした気持ちで外に出る。

望まない妊娠をする人もいるけど、今回はそういう訳でない。

パートナーとも結婚しており、楽しく暮らしている。

 

夫には前から「こりゃ妊娠しているわ」って伝えていたので、

お医者さんの言葉を伝えても

「そっか。やっぱり!」

と、嬉しそうにしてくれた。

 

 

実はこの時点で2回目の妊娠だった。

1回目は2年ほど前。

夫との間だった。

前の子(いちこ)はつわりが酷かった。

まだ結婚する前で、2人とも悩んでいたが、気持ちを察したのか、流れていった。

 

 

今回の子(にこ)は流れてほしくなかった。

でも今回も同じ結末だった。

ごめんね、いちこ、にこ。

 

10週目で検診を受けたら、心拍がなかった。

当たり前すぎるんだけど、

1度無くなった心拍って、もう戻ってこない。

でもお医者さんに確認してしまった。

「心拍がないって、亡くなったってことなんですか?」

「心拍って、また出てくることはないんですか?」

 

「残念ですが、心拍がないというのは

これ以上、成長しないということです。」

 

 

 

生まれてきている人間は、母のお腹で心拍が始まってから、

ずーーっと心臓が動いているんだ。

って。

すごく当たり前のことを実感した。

 

 

マンガ本で読んだんだけど、90年代の日本人の死亡原因の第1位が

人工中絶(流産、中絶の処置)になっていたらしい。

流産の場合は、既に亡くなっているから、この数をそのまま充てることは出来ないんだろうけど…

生まれてこれない人がたくさんいる。

 

 

たまに、

生まれてくる意味って何だろう。

辛くて死にたい。

とか、思ってしまうんだけど…

 

心臓が動いているってこと自体が、本当に奇跡で。

 

 

まだまだよく、いちこ、にこのことに向き合いきれていないんだけど。

もし次に来る赤ちゃんがいたら、その子には話したいと思う。

「あなたには2人の兄か姉がいて、あなたは本当に元気だったから、生まれてこれたんだよ。

生まれてきてくれて、本当にありがとう」と。

 

「もう、4人家族になったね」

って、夫が。

隣の家には女の子がいて、賑やか。

こちらは一見すると静かだけど、結構、家族が増えてきました。

 

この手で抱きあげることは無かったけど、もし生まれてくる子がいたら、

3人分可愛がろう、って心に決めています。

 

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『未来に先回りする思考法』佐藤航陽


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大まかなあらすじ・概略


未来に先回りする。
それは原理を理解し、パターンを認識すること、と作者は言う。

世界には大きなパターンがあり、それを満たす「テクノロジー」が現れた時に「イノベーション」が起こる。


作者はテクノロジーを次のように定義する。
1.人間を拡張するもの
2.いずれは人間を教育し始めるもの
3.「掌(てのひら)からはじまり、宇宙へと広がる」




テクノロジーが境界を溶かしていく。今までは、トップダウン型(王様がいる状態)→ハブ型(代理機能へ権力が集まる状態)と社会が推移していった。今度は、個々で情報をやりとりする世界に入る。
政治、経済への参加の仕方が変わってくる、と作者は言う。
それに伴って、求められて行くことが変わる。



未来に先回りする意思決定法



「合理的判断」が重要ではなく、原理を理解し、パターンを認識し、リソース(資金、人脈、技術、経験等)を揃えた者から、タイミングを予測して成功をおさめることが出来る、としている。

合理的判断は、過去や現状からわりだしたものであり、変化する未来には対応出来ていない。
原理を理解することで、パターン化されたものが見えてくる。
それが未来の様子なのだ。

自分の認識より、パターンを信用した方がいい。
情報の壁やリテラシーの壁がある。
個々の認識力には限界がある、ということを忘れてはならない。


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感想


テクノロジーに出来ず、
人間に出来ることとしては
「思ってもみなかった発見」
「情報をつなぎあわせる力」
が挙げられていた。

テクノロジーの発達はもはや不可避。
私たちはこの新たな存在と、どういう関係を保てばいいのだろう。

「機械が人間の仕事を奪う」という考えではなく、「人間に出来るところをやっていこう!」と思いました(^_^*)


『雪と珊瑚と』梨木香歩の感想

物語のあらすじ


珊瑚は離婚し、21歳にして娘・雪を1人で育てることになった。
「赤ちゃん、預かります」の貼り紙を出す、藪内くららと出会う。以前、修道女をしていた、くららは、不思議な生活の知恵をもった魅力的な人物だった。
以前勤めていたパン屋で働き始めるも、パン屋は閉店をすることになっていた。
母娘、これからどう生きていこう、と考えると「店を開く」という選択肢が見えてきた。
くららの甥・貴行は無農薬野菜をつくる農家。そちらから紹介された、喫茶店・カルテットの外村に「商売とは」「お金を稼ぐとは」の【現実】を学びつつ、
自身の「人の生活を支えるような食べものを提供したい」の【理想】と折り合っていく。色んな人の介在で、創業計画を提出し、金融機関から事業資金を借り入れた。
パン屋さんでアルバイトをしていた美大生・由岐と壁塗りサークルの面々の協力もあり、店の改装を済ませ、総菜の名も定まりオープンとなった。
店の名前は「雪と珊瑚」に決めた。
そこから、疎遠になっていた、元夫・泰司、泰司の両親、自分の母とも交流が始まっていく。



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見どころ

店を通じて起こる、珊瑚の気持ちの変化です。

珊瑚は母子家庭という「施しを受ける側」になることが多い立場で、施しする側への「嫉妬」「反感」「屈辱」のような気持ちがあることを発見する。
真面目な性格はある人から見れば
『私こんなにもまじめに生きているのよ』と体中で叫んでいるようなポーズをとるだけで、実際に世間がころころ騙されていく、私はそばで見ていて不愉快でたまりませんでした。   …『疲れた勤め人に力の出るお総菜を』?いいかげんにしてください。          『雪と珊瑚と』p294〜295より引用

という手紙にもなった。

指摘は違うところも多々あるけれど、葛藤の核心をついていた。

珊瑚は自分の店で仕込みを終えると、

コーヒーを淹れながら一息ついた。

誰かのための居場所、じゃなくて、

自分がそういう場所が欲しかったのだ。


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全体を通しての感想


珊瑚の気持ちへの繊細な描写が、とても印象的でした。娘の誕生、創業資金の融資、信仰の告白、それらに立ち会った時の珊瑚の心の動きがとても鮮明に描かれていました。
理想と現実の折り合い。
それを超えたところにあった自分自身の気持ち。
読後は自分自身の内面を深く見つめた後のような気持ちになっていました。